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August 8th, 2019コメント(0)

地方の葬儀はその地方特有の風習や一族のしきたりが大切に受け継がれていることが多々あります。近年では地方でも葬祭場で通夜・葬儀を行うところが増えてきましたが、「通夜は必ず自宅で行う」など、しきたりを守っている所もあります。
都市部で葬儀を執り行う場合、家族や故人の意向を中心に葬儀社と葬儀の方針について決定します。

しかし、地方の場合は、その葬儀方針の打ち合わせに親せきや近隣の関係者が加わることがあります。中には、親せきのうち年長者や近隣のまとめ役の人が「葬儀委員長」として、葬儀を取り仕切ることもあります。
こうしたしきたりには地縁性の深さが関係しています。都市部では多くの場合、セレモニーホールに故人を安置し、通夜・葬儀を行います。しかし、地方では通夜や葬儀を自宅やお寺で執り行う風習が残っているところも多々あります。親せきや近隣のまとめ役の方から連絡があり、手伝いを依頼されることもあります。お手伝いの場には近所のおばさんや親せきの女性など、お手伝いを依頼されたさまざまな人が集まります。お手伝いでは代表者やまとめ役の人が指示を出してくれます。指示通り行い、完了したら報告します。手伝いをしていて不安なことや疑問があれば、代表者に「これはどのようにしましょうか」と遠慮なく相談します。

ここでは全ての地方の葬式を紹介できないので、代表として熊本地方の神式と仏式の基本的な葬式の作法をご紹介します。

神式
1.納棺
男性、女性用の御神衣を着用させます。

2.通夜祭
通夜祭は葬場祭前日の夜に執り行われます。故人と過ごす最後の夜となります。通夜開式2時間前に自宅へ霊柩車でお迎えし、斎場の説明をします。開式1時間前に式の流れの説明をして開式となります。祭壇には酒、水、米、塩、お頭付きの鯛、海の幸、山の幸乾物、饅頭、野菜(根もの、葉物)を供えます。神社は玉串奉奠と2礼2拍1礼を偲び手でおこなう作法を八足台に貼ります。通夜振舞いは一般弔問者の方は会食せず帰ります、遺族親族、ご近所の方が残り会食します。近年精進料理から半精進に移行する傾向があります。通夜後はご遺体を控え室に移します。【式の流れ】定刻祭主入場、開式→遷霊祭→玉串奉献→閉式。

3.葬場祭の儀
“葬場祭”は仏式の”葬儀・告別式”にあたる儀式で、故人に最後の別れをする儀式です。式2時間前からお斎の会食をします。1時間前に式壇前にて集合写真の撮影後、式の流れを説明してから開式となります。祭壇には酒、水、米、塩、お頭付の鯛、海の幸、山の幸乾物、饅頭、野菜(根もの、葉物)祭壇、鏡、社、玉串台、三宝台、玉串(ごへいを付けた物)を供えます。協会によってお参りの作法が異なりますが、神社は玉串奉奠と2礼2拍1礼を偲び手でおこなう作法を八足台に貼ります。
【式の流れ】祭主、斎院入場→開式→修祓→大祓詞奏上→大麻行事→玉串奉奠→弔電代読→遺族挨拶→退場→閉式。

4.法要
玉串奉奠と2礼2拍1礼を50日祭まで偲び手でおこないます。

仏式
1.納棺
足袋、脚絆、鉄鋼をつけ、数珠を持たせ、六文銭を胸元に入れます(真宗系は即身成仏で旅をされないので旅支度はしません)。納棺をしてから上から仏衣を掛けます。服装品は杖など。

2.通夜
通夜は告別式前日の夜に執り行います。故人と過ごす最後の夜となり、故人の死を受け入れる大切な時間です。近年では生活様式の変化により通夜の会葬者が告別式の会葬者に比べ多くなる傾向があります。通夜開式2時間前に自宅へ霊柩車でお迎えします。開式1時間前に式の流れの説明の後、開式15分前お寺と打ち合わせをします。その後、開式となります。祭壇にはご本尊、前卓、5具足、線香、賽銭盆、四華花、焼香壷、お寺用椅子、経机、宗派に合わせた飾りをします。焼香後、一般弔問者の方は会食せず帰ります、遺族親族、ご近所の方が残り会食します。近年精進料理から半精進に移行する傾向があります。通夜後はご遺体を控え室に移します。【式の流れ】開式→お寺入場→読経→退場→焼香→ご遺族挨拶→閉式→見送り通夜振る舞い。

3.葬儀、告別式
“葬儀式”は宗教的な儀式であり、”告別式”は一人一人とのお別れの場として厳密に分かれていました。式2時間前からお斎の会食をします。1時間前、式壇前にて集合写真を撮影し、式流れの説明、お寺と打ち合わせの後、開式となります。祭壇にはご本尊、前卓、5具足、線香、賽銭盆、四華花、焼香壷、導師用椅子、副導師用椅子、宗派に合わせた飾りをします。お坊様をご案内する場合、通夜ではご住職、葬儀では導師とお呼びします。精進落とし(精進あげ)は本来忌明け後に行いますが、近年では葬儀の当日にしてしまう事が多くなっています。更に初七日のお経も合わせて当日に済ませてしまう家庭も多くなっています。
【式の流れ】開式→導師入場→読経、途中導師焼香表白後ご遺族より焼香→導師退場→弔電代読→遺族挨拶→閉式→出棺の儀。

4.お別れ、出棺
前卓、導師用椅子等をわきに寄せます。柩の向きを変え蓋を開け、ドライアイスを取り除きます。供花を切らせて頂き、喪主より近い順に柩の中に手向けて頂きます。最後のお別れをして蓋を閉じます。近い男性の方に抱えて頂き霊柩車へと安置します。最後に霊柩車の前で挨拶を頂きます。皆様の合掌の元火葬場へと出発します。

 
August 8th, 2019コメント(0)
誰でも何度かは体験することになるお葬式。
お葬式とは、お通夜と告別式を逢わせた葬儀のことを指していますが、全国のマナーや風習が異なってきます。
そのことをしっかりと理解して、お葬式に臨むことが大切です。
そのお葬式のあり方やマナーの違いをを見ていくことにします。

●お通夜の後の食事

お葬式では、まずお通夜が行われますが、
お通夜は、夜通し灯りを消すことなく、故人を見守る儀式のことで、葬儀・告別式の前夜に親族や身近な知人・友人が集まりっ故人の冥福を祈る儀式で、遺族は夜通し灯明と線香を絶やさず、一夜を過ごします。
そのお通夜の後に参列者に対して、食事を振る舞うことになるのですが、関東地方とと関西地方では、食事に大きな差違が見られます。
関東の方では、「通夜ぶるまい」と呼ばれており、親族の他に参列者にも食事がふるまわれます。
そのために、遺族側は参列者の人数を予め予想し、小分けにするための大皿料理を要因しておかなければなりません。
参加者と形だけでも食事に箸をつけて、飲み物を頂いてから帰る風習があります。
一方の関西地方では、「通夜ぶるまい」の習慣がなく、近親者のみで食事をすることになります。
参列者はご焼香が終わったなら、食事をせずに帰ることになります。

●香典

お葬式でやはり気になるのは、香典でどの程度お包みすればいいのかがポイントになってきます。
関東地方から東日本では、香典のお包み学者の相場は、関西空港以西よりは高めとなっています。
両親では10万円、兄弟姉妹で5万円程度、祖父母は3万円、その他親族では1万円、友人・知人関係は5千~1万円となっています。
これが関西から西日本においては、香典を受け取らず辞退する遺族が増えている傾向が多額なっています。また、受け取る場合でも、香典の相場は感動とよりも低めになっており、両親の場合で5万円、兄弟姉妹では3万円、祖父母1万円、親族関係は5千円、友人・知人は3~5千円程度と開きが見られます。
このような開きがあるのは、通夜振る舞いという習慣が関東にあるからと思われますが、通夜振る舞いがない関西では、香典の受け取りを辞退することも、ここに起因しているものと思われます。
しかし、香典は故人との今までのご縁や相手への気持ちを考えて包むことが重要で、香典を多く包みすぎることもマナーに反することになりますので、相場を目安に考えておくべきです。

●お骨

葬儀の後は、火葬となりますが、その後のお骨拾いにも違いがあることを知っておく必要があります。関東地方から東日本にかけては、火葬後は、故人のお骨を全て拾って骨壺に収めることになります。
したがって、骨壺も関西地方よりも大きめも壺となっています。
片や、関西から西日本方面においては、足・腰・胸・腕・頭など、比較的に小さめお骨を拾って骨壺に収めることが多く、骨自体も小さくなっているのが特徴的です。

●お葬式の流れにも違いがある

お葬式の一般的な流れがとしては、お通夜が行われた翌日に葬儀や告別式が執り行われ、その後に火葬というふうに進んでいくものと思われていますが、これもその地域毎により異なってきます。
大きく分類すると、3つのバターンに分けられるのですが、「後火葬」と呼ばれる流れでお通夜の翌日に葬儀と告別式が行われ、火葬の運びとなります。
次は、「前火葬」でお通夜が終わると、翌日に火葬をして葬儀・告別式となります。
そして「骨葬」と呼ばれるもので、これは先に火葬を行います。そしてお通夜を経て、翌日に葬儀・告別式を行います。
これらのお葬式の中では、北海道や東北などの北国では、前火葬と骨葬を中心にお葬式が行われていますが、関東~関西、九州方面では、後火葬が大半です。
とは言うものの、前火葬と後火葬に明確な地域分けが見られるわけでもなく、近隣地域でも、2つの方法が存在しているケースもあります。
特に雪深い北国では、すぐ葬儀に参列できない地域事情もあり、火葬を先に済ませてから、雪解けの春になり、葬儀を執り行うことが多かったことから、前火葬や骨葬になったと考えられています。
但し、地域により色々なお葬式の進め方がありますが、正しい流れと決め付けることはできません。

●地域のユニークなお葬式

これまで見てきた以外にも地域独自のお葬式の習慣があります。
何処となく事務的に感じてしまうのですが、北海道では、香典に領収書が出ますし、専用の領収書が販売されています。また、一般の人が新聞に訃報を広告として掲示する習慣があります。
東北の岩手県では、お棺に六文銭を入れずに100万円、1000万円と大金を明記した書紙を入れたり、秋田県だとご焼香の時に小銭入れを添える習慣があります。
富山県は、出棺の際、棺に白い布を結んで遺族がその端を持って引くことが行われますし、関西地方のお葬式では、友引に葬儀を出す時に、棺に友の身代わりとして人形を納棺します。
関西・中国・九州では、出棺の時に故人が使っていた茶碗を割る習慣があったり、中国地方の出棺前の故人と最後の前を囲むことも独特の風習です。

このようにお葬式にも地域特有の習慣があることも関心の深い点と言えます。
 
August 8th, 2019コメント(0)


仕事柄の付き合いが多く、お葬式などにも地方まで行くことが多いです。
まず、私の住んでいる地域ではお香典の最低価格は1万円ですが、お世話になった人には5万円~10万円とお葬式に行く場合は結婚式に参列するときより金額が多いのが普通です。

通常は親の時代からお付き合いがある場合はもらった金額を返すということが一番オーソドックスかもしれませんが、仕事がらみになるとそうはいきません。平均的なお香典の金額によるのかもしれませんが平均1万円以上のお香典を出す地域では、来ていただいた方に軽食ですが食事を提供しています。

一般的な食事はお寿司ですが、今はお葬式でのケータリングも増えていますので故人が好きだった料理を振舞うところもあるようです。
また香典返しなども式場で配ることもせずに、後日カタログギフト等を郵送する形も増えています。
普段生活している地域でのお葬式は特に変わったことなどは感じずに参列出来ますが、地方に行く場合は決して同じではないということを知っておかなければなりません。

ある地域では、お香典を出す際には香典袋には入れずに、財布からそのまま受付で渡すというスタイルでした。もし香典袋に入れていた場合でも、袋からは取り出し袋は持ち帰らないといけません。
最近は無駄な資源を使わないという流れでしたから、そういう取り組みをしているのかと思いきや昔からの風習のようでした。
この地域でのお香典は3000円からで、企業など会社の従業員から集めてまとめて出す場合は1000円~2000円からとかなり低い金額設定でした。
親しい間柄でも5000円で1万円以上は主に親族のみといったところです。
もちろん、親しい相手にはお花代なども別途渡したりもしますが、お香典よりお花代の方が高額だと言っていました。
平均的なお香典の金額が3000円~となっているので、参列者にはフリードリンクが振舞われ香典返しはタオルやお茶の葉等やはり金額に見合った物でした。

お焼香のやり方等ではビックリするような大きな差は感じたことはありませんが、一度困った事が起きたことがあります。
遠方で、お通夜には参列が出来たのですが、翌日のお葬式には参列出来ない事がありました。
参列した時にお葬式には来れない旨をお話すれば良かったのかもしれませんが、後日お電話で「お葬式に来ないなんて非常識だ!」とお叱りを受けました。
お通夜に行ったお話はさせて頂きましたが、仕事で付き合いがあったのに普通は両方来るべきだろうということでした。
この時は日を改めてお伺いさせて頂きましたが、地域ならではの常識を知らなかった上の出来事です。

もう一つ失敗した事があります。
順番に香典を渡し(この時は1万円でした)、前に並んでいた2人の方が積まれていた寿司折から一つずつ取っていたのでこの地域では寿司折を持って帰るものだと私も持ち帰ったわけですが、実はこの寿司折は個人の近所の方専用に置かれている物で一般参列者は持ち帰ってはいけなかったという事です。
この時は全く気付かず、これも後日その地域の取引先の方に教えてもらう事となりました。
特に何も書かれていることもなく、ただテーブルにかなりの量が積まれていたので知らない人は結構持って行ってしまうことが多いらしく多めに置かれていると聞いて少しホッとしましたが知らないという事は本当に怖いですね。

一番お香典の金額でビックリした地域は親族の金額が数百万で、これは香典袋に入っているのですが厚みに驚きました。
ここでは親族ごとに決めごとをしているらしいのですが、こちらのお葬式では親族も一般の参列者も同じ場所での受付でしたからかなり不安になったことを覚えています。
また、香典袋は共通のものだと思っていましたがある地域では真っ白な封筒に入れて出すというところもあり慌てて知り合いに貰ったこともありました。
これらから、私は初めてお伺いする地域のお葬式に参列する際には必ず事前に調べてから行くことにしています。

もし可能であれば、その地域にお住いの方と一緒に参列することが一番です。
お葬式ということもあり、やはり失礼があったらいけないわけでこれまで失敗してきたことや経験も踏まえてこうすることが一番いいと思うようになりました。

こちらからするといわゆる「普通」と呼ばれることでも、地域がちがうと非常識になったりやり過ぎといわれてしまったりするので自身が思っている「普通」は通用しないんだと思った方がよいでしょう。

特に会社の代表や〇〇家の代表等で参列する場合は、もしかすると何気ない行動で信用を失うこともあるかもしれません。
実際これまで仲良く仕事上でお付き合いしてきた方に、非常識だ!と言われてしまったわけですから行けば顔が立つという考え方はしない方がよいです。特にお香典の金額は地域によって全く違います。

自身の立場とそれにあった相場を知ることは人付き合いをする上ではとても大切な事ですから、きちんと下調べをしたうえで参列に向かいましょう。
August 8th, 2019コメント(0)



1.道南地方ならではのお葬式の風習


独特の風習が多い北海道の冠婚葬祭。
会費制の結婚式や香典をその場で開封され、領収書とお返しが手渡されるお葬式。中でも、海の幸や五稜郭などの観光地で有名な函館市。
新幹線の最終駅、新函館がある北斗市。
松前城の桜で有名な松前町を含む「道南」のお葬式は独特です。

2.お通夜に合わせてお参りすると火葬が終わっている

道南のお葬式がどのように独特かというと、驚かれる方もいるかと思います。
なぜなら、親交のあった故人の方を一目見送ろうとお通夜に合わせてお葬式に訪れると、ご遺体はすでに火葬されてお骨になった状態で祭壇が設けられるからです。
亡くなられた故人の方が、親交のあった知人の方であっても驚かれることでしょう。
もし、本州や北海道の他の地域から函館市など道南へと移住し、道南の方と家庭を持った故人の親戚の方にとっては、トラブルにも繋がりかねない問題でもあります。
これは、北海道の他の地域にはない道南地方独特の風習です。

3.仮通夜と本通夜、出棺と告別式

道南地方では、故人が亡くなり家に帰ると当日中に僧侶を呼び「枕お勤め」のお経を上げてもらいます。
北海道内の多くの地域では、その翌日か近い日の金曜日に合わせて「お通夜」を決めますが、道南では少し事情が違います。
道南地方では、故人が亡くなった当日に近場で暮らす親戚や近所の方に連絡を取り「仮通夜」と呼ばれるお通夜を上げます。
もちろん、「仮通夜」の名前の通り「お通夜」に当たる「本通夜」の仮の儀式です。
仮通夜は、「その日に集まることができる方」だけで執り行われることがほとんどで、遠方から知人の方や親戚を招く目的ではありません。そして、ここからの順番を把握しておくことがとても大切です。
道南地方では、仮通夜が行われると次の儀式は「出棺」となります。つまり、仮通夜→出棺→火葬→本通夜→告別式という流れです。出棺は多くは、仮通夜の翌日が1日空けて行われます。ですので、故人の方は長くても2泊3日、短いと1泊1日しかご遺体という姿で棺の中におりられません。
故人の顔を見てお見送りをしたい方で道南に親戚のいる方は、本通夜ではなく出棺に合わせてお参りに向かう必要があります。

4.道南地方のお葬式が独特な理由

道南地方のお葬式が、仮通夜→出棺→火葬→本通夜→告別式という流れで行われ、本州や北海道の他の地域で「お通夜」に当たる「本通夜」の前に火葬が行われるにはいくつか理由があります。
現地で語られることが多い理由は3つ、⑴東北地方の風習⑵漁業が盛んな港町のため⑶洞爺丸台風の影響です。

⑴東北地方の風習
北海道の中でも、道南地方には江戸時代から明治にかけて東北地方出身の方が多く移住されました。
青森県や岩手県、秋田県や福島県の方が多かったといわれています。
理由は、江戸時代から明治時代にかけての戊辰戦争。
戊辰戦争の末期には、新撰組で有名な土方歳三ら旧幕府軍が函館市を中心に政権を打ち立てて新政府軍と対立しました。東北地方のいくつかの藩は、新政府軍に敗北する中で北へ北へと敗走し、海を渡った函館へたどり着きます。
仮通夜→出棺→火葬→本通夜→告別式の風習は、青森県にあった南部藩の名残りともいわれています。

⑵漁業が盛んな港町のため
もう1つは、漁業が盛んな港町として栄えた函館市ならではの事情です。長期間遠くの地域に漁に出かける漁業関係の家庭では、故人の遺体を保存しておく技術がなかった当時、喪主に当たる一家の主人が帰ってくるまで仮通夜→出棺→火葬までを行い、改めて親戚を集めて本通夜→告別式で故人を見送るという風習が生まれたといわれています。

⑶洞爺丸台風の影響
最後の1つは、比較的新しい理由です。戦後間も無く、伊勢湾台風が日本列島を縦断したため各地で災害による被害者が出ました。伊勢湾台風は、函館市近海で沈没した旅客船洞爺丸にちなんで洞爺丸台風と呼ばれています。当時、水害が収まり被害者の方が次々に見つかると、斎場や火葬場はとてもすぐに利用できる状況ではありません。
そこで、葬儀会場の支度が整うまで遺体の損壊が進まないように火葬して、自宅で形上のお通夜を済ませてしまう「仮通夜」の風習が生まれたといわれています。

道南地方のお葬式が独特な理由は、⑴東北地方の風習⑵漁業が盛んな港町のため⑶洞爺丸台風の影響のいずれかですが、世代や地域によって語られる理由は変わります。
1つだけアドバイスできるとしたら、親戚や親しい方の場合、故人の方の情報をご家族に伺い、「仮通夜」に間に合うようにお葬式に向かうスケジュールを立てることです。
また、元々冠婚葬祭には特別こだわりの少ない北海道ならではですが、最近では遠方から訪れる方が故人と最後のお別れをされたいと考える家族の方は、仮通夜から出棺までの日取りを伸ばして故人とのお別れをされるお葬式もあります。

その点は、物事を合理的に考える北海道ならではの新しい風習ともいえるでしょう。